眠れない夜の為に-チープな午後3時-

眠りに落ちるまでのほんの僅かな時の、友として

真昼の決闘!能力者達の集い

第七夜


洗濯乾燥機を買った蓮丹生くんです

ドラム式洗濯機が突然壊れました

どこからか水が漏れてえらい事に
なってしまいました
元々何となく機嫌の悪いヤツでしたが
長く付き合っていてもやっぱりどこか
よそよそしいとこがありました
心ここに在らず
な、洗濯乾燥機でしたね



そんなこともあって、今回はよーく
思案してから本当に長くお付き合い
出来そうな洗濯乾燥機を探しに
出掛けたんです


今回は、少しピンクっぽい色の入った
女の子と、シルバーな男の子とで悩みました

いや、自分で言ってて気持ち悪いな
洗濯乾燥機に男も女もあるかい!

結局、男らしく(言うんかい!)
タテ型の洗濯乾燥機にしましたよ

日立のビートウォッシュ
なんか、いかにも落ちそうな名前です
分かんないけど。
でも、しっかり仕事してくれそうな
顔つきだし、中の羽根?あの回る部分が
立体的になってて、水流が強そう

洗濯って、やっぱりすすぎが一番大事
だから、強い水流で、繊維の奥に洗剤を
残さないようにして欲しい
その点では、これは正解じゃないかと
想像するんですけど
果たして、どうでしょうな



ドラム式を買った時に一番マズったな
って思ったのは、扉の開く向きが逆
だったこと。
左開きのヤツを買わなきゃいけなかったんだ
そんなこともあって、お互いが
変に距離を取りながら暮らして来ましたが
それも今日までとなりました




そのあと、スーパーに買い物に
行ったんですね
平日のお昼のスーパーは意外に混んでました
野菜コーナーに向かうと、おばさん二人が
立ち話を始めたところ。

なんとなく通路を塞いじゃってるんで
その辺りの品物を見ながら二人が移動
してくれるのを待つ感じになったんだ

んで、何となくだけど
しっかり話しの内容が耳に入って来た


「まあ、あなた…、えっとほら
顔は覚えてるんだけど、誰だか思い出せない」

「松井ですよ、久しぶりねえ」

「ああ、松井さん 松井さんねぇ
そうねぇ、困ったわ 見覚えあるのに」

「あたしも、知った顔だと思ったのよ
でも、名前が出て来ないわ」

「あたし、桜井です」


「桜井さん、桜井さん、桜井さん?」


どうやら、二人とも面識はあるものの
久しぶりらしくて、お互いどこの誰だか
その辺をすっかり忘れちゃってるみたいだ


「でも、暑いわねえ」


とりあえず天気の話始めちゃった


「そうねぇ、あたしこの前熱中症になって
点滴に行ったのよ」


「それは大変だったわねえ ねぇ
ねえ? あなた昔と面影変わったわよね?」

「そうかしら?」

「もちろん、今もお綺麗よ
でもまあ、お互い歳をとったわよね」

「ねぇ〜」


どこの誰かもわかんないのに
面影変わったのは、分かるんだろうか
それも、原因として上げたのは

老化だし!

そのあたりでやっとこさ、通路が
通れる具合に移動してくれたんだけど
その後も何となくその二人の行く末を
気にかけていたんだよ

そしたら、ずーっとスーパーの中を
並んで会話をしながらお買い物をしてました


誰だか分かんないのに
あんなに仲よさそうに出来るなんて
おばさんって、素晴らしい能力者だよ!


出口でまた一緒になったんだけど


「また会いましょうね、ここで」

「そうね、ここで会いましょう」


ってお別れしてるんだ
最後まで誰だか分かってないの

もうおかしくて、でもちょっと哀しくて
そうだね、また会えると良いね



では、また
蓮丹生くんでした