眠れない夜の為に-チープな 午後3時-

初めての関東暮らし、町歩き、出逢いを記録しておきたい

誰かのクリスマスとあんみつ


寒波がやって来ました
どんどん冷え込んで来てますね
楽しみ! では無いです
もう寒いのはごめんなさい

【Ren-new】くんですよ


昨日は昔の友達に会って来ました
昔の友達って言い方も変だけど。
懐かしい友達、5年ぶりくらいに会いました
ちっとも変わってなくてびっくりだった
僕も変わってないんだそうです
自分では随分と年をとった気でいたんだけどな

久しぶりの再会の話しはまた今度。



先日のこと
駅の構内であんみつを売っていました
あんみつと言えば、上野にある「みはし」が
有名だし、大好きなのですが


その日、出くわしたあんみつ屋さんは、「みはし」さん
では有りません
そんなにあんみつ屋さんに詳しい訳でも無かったので
そのまま通りすがりにチラッと流し目。


お客さんも居なくて、暇そうに男の人が立ってます
何となく、あんみつ屋さんは三角巾みたいなのを
付けた女の人の方が売れるんじゃないかなぁ…
なんて事を考えながら、通り過ぎます

老舗の三代目
婿養子に入って役員にはなっているけれど
商才もなく、店の経営には口もはさめず
やることなす事全て上手く行かなくて
嫁家族からも、従業員からも疎まれる日々
仕方なくあんみつを持って売り歩きに出かけたけれど
見ての通り、全く売れなくて暇を持て余す午後…

ってな感じの男の人がはっぴを着て突っ立ってる


あれじゃあ、売れないよなあ。。

妄想が暴走して、勝手にストーリーを作り上げてく
そのまま歩速を上げて改札へと向かう…


…ダメだ!僕の心にあんみつが
引っかかってしまって、進む足に急ブレーキをかける
駅の構内、雑踏の中で立ち尽くし
僕は幼かったあの頃を思い出していた


・・・・・・・・・・・・・


今から何十年も昔の話だ
僕たち三兄弟と母親は小さな田舎町のそれでも
街一番の繁華街にいた
クリスマスイヴの前日、まだ祭日では無かった23日は
母親の誕生日だった
クリスマスシーズンは、今ほど華やかでなくても
キラキラと電飾が輝いていて、赤鼻のトナカイ
が流れていたから、やはり心踊る気分になれる
僕たち三兄弟は賑やかな街を歩く事が何だかとても
楽しくて、母親と出かけた事も嬉しくて、冬の寒さも
ちっとも感じていなかった

何かを買ってもらうとか、美味しいものを食べるとか
そんなことよりも家族で街に出かけて来た、それが
純粋に楽しい出来事だと感じていたんだ
デパートに入ったり、公園で鳩を見たり、歩道橋の
上から流れる車をみたり、アーケード街でクリスマスの
飾り付けを見たり、ただなんとなく兄弟でふざけあって
ワイワイしながら過ごす、クリスマス

だけど、
その時には、もちろん分からなかった本当のこと。

あの頃うちはどん底に貧乏だったらしい
お爺ちゃんの残した借金があって
大変だったらしい
洋服だって貰い物ばかりだったし、オモチャも
ほとんど持ってなかった
漫画雑誌も買ってもらった事が無かったから
未だに僕は漫画に疎い
(週刊漫画なんかも買って貰わなかったから
ドラゴンボール北斗の拳もワンピースも未だに
読んだ事が無い)

そんな感じだったから、クリスマスだって言っても
子供にケーキやパフェなんかを食べさせて
やる事も、デパートでオモチャを買ってやる事も
遊園地に連れて行ってやる事も出来なくて
ただただ惨めな気分で、更に自分の誕生日だと言うのに
こんな気分で、泣きそうになってた母親


「あの日は本当に辛かったのよ」

僕らがすっかり成人してからのちに
そんな話を涙ながらにし始めた母親

僕らはあんみつを食べながらそんな思い出話を
していたんだ

あのクリスマス前の日
母親が一つだけ買ってくれたものは
あんみつだった
夕方になって店先で割引きになったいた
あんみつを3つ
やっとこさ買う事が出来たんだそう

お金が無くて何も買ってあげられないことは
分かっていたけれど、何か子供達にクリスマス
気分を味あわせてやりたくて、ノープランのまま
街に出て来た母親は、きっとそれだけでは無くて
誕生日だった自分の為にも、少し華やかで賑やかな
場所に出たかったのだろう
母親の実家はそこから目と鼻の先にあったのだけれど
両親に心配かけたく無くて、頼ることも出来なかったそうだ


僕らはと言えば、そんな事とはつゆ知らず
初めて食べるあんみつにテンションが
上がりっぱなしで、早く帰ってあんみつ食べよう!
と帰りのバスでも大はしゃぎだった


僕らにとっては楽しい思い出のあんみつ
母親にとっては哀れで惨めな気持ちになるあんみつ…





通り過ぎてしまったけれど
僕はもう一度、あんみつ屋さんに向かった
相変わらずお客さんは居ない

船橋屋と書いてある
船橋から来てるのかな?

あんみつくださいと言うと、白蜜と黒蜜が
あるらしい
白蜜って珍しいかも!と思って白蜜を頼んだ
カップに入ったあんみつを見ていると、僕も
あの母親の独白を思い出す

大変だったんだなぁ


子供には子供の時間が流れていて
大人には大人の時間が流れている

子供だったあの日に帰っても、あの日の母親を
助けてあげることは出来ない
だけどせめてあんみつを純粋に「美味しいわ」って
思えるようになれば良いな
僕らにとっては幸せな思い出のあんみつなのだから



家に帰り、連れにあんみつ買って来たよ
と言うと

「みはしのあんみつ?」

ってやっぱり思うんだな

「いや、船橋屋ってところ」

「どこ?それ?」

さっそく検索を始めた連れは

「ああ!柴又にあった船橋屋だ!」

なんでもこの前柴又に行った時に見つけていたらしい

亀戸天神が本店なんだって」

船橋屋はなかなかの老舗のお店らしいです




船橋元祖くず餅:発酵和菓子:船橋屋



知りませんでした
すみません、うだつの上がらない三代目とか
酷いこと言いましたw
売れないとか勝手に決めつけてました
申し訳ありません


さて、肝心のあんみつですが


上の容器に入っているのが、白蜜なんですが
どうもこの容器が何かを想像させます
いや、船橋屋だから船の形をしてるんだとは
思うんですけどね
でも、なんとなくアレを思わせるのは白蜜の
液体の色がそうさせるのでしょうか?



ほら、やっぱり…


でも、この白蜜が大当たり!
大ヒット! ホームラン!
めちゃくちゃ美味しいんです
塩味の効いた赤えんどう豆も美味しいし
関東風のデンプンで作る葛きりのモチモチ感も
最高です
いやね、こう言ってはいけないんですが
「みはし」よりも何倍も美味しいと思ってしまったw

もちろん、「みはし」も好きですけど
また味わいが違うのは白蜜のせいかな
スッキリしてて、しつこく無いけど深みのある
とても美味しい白蜜です


これは母親に送ってあげたいな、と思う
あの頃と違って、運送技術も進歩したことだし
きっと送れるよね


今日は、あんみつの思い出でした


では、またです


☆あんみつ と書いてますが
よく考えてみたら、みつまめ を買ったのでしたw
餡は入って無かったです
でもきっと、あんみつも美味しいはず!