眠れない夜の為に-チープな 午後3時-

初めての関東暮らし、町歩き、出逢いを記録しておきたい

紅い月と白い雪

一月三十一日(水)

 

今日は月蝕だそうですね

テレビをつけると、既に欠け始めた

月が大写しになって現れました

 

月は僕にとって色々な意味を持っていて

今までの人生において、その節々に

月が絡んでいました

 

 

それは、とても個人的な事なので人に

話すことでは無いですが、現れる月は

麦畑を照らす月の光だったり

踊り明かした朝の白い月だったり

真冬の月に見下されたり

窓越しに氷のような月に覗かれたり

以心伝心のお月さまに見透かされたり

そっとさりげなく傍に佇んでいたり

嬉しさに滲む二人の月だったり

同じ時刻に別々の場所で同じ月を見ていたり

なんにせよ、僕と月はいつも共にある気が

するのです

 

月が完全に隠れました

そして、赤く鈍い色に染まっています

なかなか神秘的です

 

今夜の月を見上げた時

ふいにこみ上げるものがありました

何かに引き寄せられるように…と言えば

聞こえはいいけれど、本当は何かに追われるように

この街に来た、というのが正しいのかも

知れません

切れそうな糸に縋って何とか息をして、流されない ように…。でも、必死でしがみついているかと

言えば、それもまた嘘になるようで…。

本当なら、根を下ろす準備をしていなければ

いけないのに、まだ僕は浮き草のように漂っている

 

自分を憐れむ訳でも、蔑んで気が休まるでも無く

ただ、赤い月に見下ろされた時

自分が空っぽな気がして、得体の知れない恐ろしさ

に思わず込み上げるものがあったのです

 

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街を歩いても、歩いても

誰も僕を知る人はいない

 

それはそうだけど。

こんなにたくさんの人がいて知り合いに

会う確率なんて、 僅かなものなのだろうけど 

比喩として。

 突然に、猛烈な孤独に襲われてしまう

 

歪んだ時計が退行し

僕の孤独を深い海の底に沈めていく

まるで海底から見上げた赤い海月

 

海月は、無表情に僕を見下ろしていた

弱い月の光はここには届かず、僕は

少しでもそれに触れたくて手を伸ばす

水の抵抗が身体の動きを阻礙しようと

まとわりつき僕の願いは叶わない

 

 

二月一日(木)

そして、今夜は雪

雨が静かに雪となって降り積もっている

この雪がまた僕の足を止める

光の射さない朝

進まない暮らし

届かない郵便

 

くぐもった声に告げられる

無機質な言葉が、僕を解き放ったと

思ったその刹那。

 

この白い街は素知らぬ顔をして

僕を強く拒絶していた

いや、本当は扉を閉ざしているのは

僕の方なのかも知れないのに

 

イメージする

明日を明後日を、春を夏を…

いつだってイメージ先行なのだ

 

甘い妄想に浸り、温い感傷に溺れる

ぷよぷよとしたゼリーの海

その真ん中に浮かんで昨日の月のように

丸くなってイメージしよう

 

幸せそうにしていないと、ツキに見放されて

しまいそうだから、明日はなんとか

笑っていよう

 

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