眠れない夜の為に-チープな 午後3時-

初めての関東暮らし、町歩き、出逢いを記録しておきたい

僕と音楽と出来事と (6) 青いスタスィオン(7-5)

5.ブルーに泣いている

美術室に向かう


もう校舎内は真っ暗だったけれど
所々灯された非常灯が道案内をしてくれる
扉を開ける音がやけに響いて、なんだか悪いことを
しているような気持になって胸の鼓動が高まっていく




カナコに貸していたのは前年に発売されていた
安全地帯の三枚目のアルバムだった
『恋の予感』が収録されたそのアルバムは
チャートで3位、48万枚を売り上げていた


棚からアルバムを下ろすと、
薄闇に白い残像が滑るように流れて
足元にひらひらと落ちてきた

それはカナコからの手紙だった

僕はそれを拾い上げると
窓際に駆け寄って、
月明かりを頼りに手紙を開く



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レン君へ

LPありがとう。すごく良かったよ
カセットに録音させて頂きました
もちろんクロームテープ買ってきたからねー
大事にします
爪も折ってますよ、永久保存しちゃう

レンくんと実行委員が出来て良かったよ
一生の思い出が出来ました
ありがとうございます
途中までしかお手伝い出来なくて
本当にごめんなさい
でも、イメージはレン君に伝わっている
と思うので、あとはヨロシクね


黙って引っ越しちゃうことになって
ごめんなさい
なんか忙しかったしね
言いそびれちゃった



あ、私の好きな曲の歌詞の一部を
書いておきますね

ブルーに泣いている

ひとりきりで瞳を閉じて

心のありかを捜すけど

迷いかけた溜息が

ブルーに泣いている

彼女さんと、いつまでもお幸せにね

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そして、新しい住所とともに

「もしもこちらに来ることがあったら
会いに来てくださいね」

そう書かれていて、そこで手紙は
終わっていた

つづく






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